会社を設立するということは、もちろんあなたが経営者になるということです。今まではエンジニアとしてプログラミングに精通していなければなりませんでしたが、今度はそれとは別に経営者としてのスキルが必要になります。役目が変われば、求められるものも変化するわけです。
「人」に関するスキルです。コミュニケーションスキルを持っている人は相手とスムーズに関係を築き、それを維持することができます。対人でのやり取りが苦手ならば、メールやチャットなどで同様の関係を構築できればいいでしょう。要は相手の発言にしっかりと耳を傾け、相手の求めることを確実に把握することです。すぐにわからなくてもかまいません。相手の言ったことに「こういうことですか?」とボールを投げ、相手が投げ返したボールからまた相手のことを理解していく。そのような根気強さも必要です。
これはカスタマーケアとも合い通じるものがあります。ビジネスでは「商品やサービスを売って終わり」ではなく、その後のケアも大切です。トラブルやクレームにもスピーディで誠実な対応が求められます。そのやりとりでもコミュニケーションスキルが必要になるわけです。カスタマーケアがうまくいくと顧客満足度が上昇します。固定客がつくのです。固定客はリピート購入や買い増しをしてくれます。新規開拓にかかるコストと比較すると利益率の面でメリットがあり、今後の事業展開を有利に進めることができます。
プレゼンテーションと情報発信。どちらもアウトプットに関わる事柄です。お客様にどう伝えるか、どう届けるかということでもあります。ある商品を売り込むときのプレゼンで、「声が小さい」「話が要領を得ない」となると、どんなによい商品やサービスでも相手は心が動きません。自分の考えや商品の特徴をわかりやすくはっきりと伝えるスキルはとても大切です。また、ホームページやブログ、SNSなどでの情報発信は重要度を増してきています。競合他社の手法や売り方、街中の看板や広告などでも、「これはおもしろい」というコピーや表現があれば貪欲に吸収し、頭にインプットしていきましょう。
日本にとどまらず海外の経済情勢、政治情勢などの情報に興味を持つことも重要です。あらゆるモノや情報が飛び回る現代社会では、遠い国の出来事が自分のビジネスに影響を与えるケースが多々あります。日々接するニュースなどでも漠然と流さず、自身の周辺やビジネスに引き寄せて考えることでまた新しい視点を得ることができます。
ビジネスの世界では想定外のことは日常的に起こります。自分が今まで持っていた知識やノウハウでは全く太刀打ちできない事態になることもあるでしょう。思い通りに行かなくても、「わからないから」とあきらめず立ち止まらず、原点に戻って事態に丁寧に対処して経験を蓄積していけるスキルはとても重要です。もし失敗しても「どこが悪かったのか」を論理的に考え、行動し、修正していけばよいのです。お客様からすればあなたは商談の相手であり、どのような質のサービスを提供してくれるのかということに大きな関心があります。「起業して何年」というものは、顧客にとってあまり関係がありません。プロ意識を持って仕事をやり遂げるという気概も経営者に必須の要素といえます。
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